幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜


複雑な思いを感じたまま、結局翌日の朝を迎えた。


こんな気持ちのまま涼の顔を見るのは嫌だったけど…8時前には家の前で涼が出て来るのを待っていた。



「お!おは!」

「おはよ」


そして8時ちょうど。

家から出て来た涼に内心ドキドキしながらもあたしは必死で平然を装った。


「暑いな、今日」

「そうだね」


見慣れた景色を進んでいく自転車。


季節が変わるのは早い。

春から夏へと近付いているのを肌で感じる。


「ジメジメしてきたよな」

「梅雨入りするかもね、もうすぐ」


くだらない会話。

気温とか天気とか、正直どうでもいい。


どうして涼は岡崎さんとのことを話さないの?



< 189 / 349 >

この作品をシェア

pagetop