幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜







「懐かしいな」

「でしょっ?」



お母さんが作ってくれていた、あたしと涼のふたりのアルバム。


ピンク色のそのアルバムを開き、ページをめくりながらあたし達は一緒にそれを懐かしそうに見ていた。


写真の中のあたし達は今よりもずっと小さく幼い。

それを順に見続けると、最後のページには高校三年の卒業式、笑顔で卒業証書を手にしたあたしと涼の姿があった。



「ねぇ、ぱぱとままはずーっといっしょにいるの?」



キラキラしている小さな瞳がそう言ってあたし達を見上げる。


「そうだぞ、ずーっと一緒だ」

「これからもずーっと一緒なんだよ」

「あははっ、じゃあぼくもずーっといっしょにいる!」


可愛い笑顔につられるようにあたし達も笑った。



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