幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜



「おい、なにシケた顔してんだよ」


と、その時いきなり背中をバシッと叩かれて。


振り返る前にその声で誰なのかが分かっていたあたしは、クルッと振り返りながらオーバーなリアクションをして見せた。


「いったーっ!暴力反対!」

「はぁ⁉︎痛くねーだろ、たくましい背中してるくせに」

「はぁーっ⁉︎本当最悪!涼と同じクラスじゃなかっただけ良かったよ」


あたしがそう言うと、隣にいたユリと涼のそばにいるハルがクスッと笑い合った。


「なに笑ってんの、二人して」

「いや、高校生になってもみのり達は何も変わってないなぁって」

「本当お前ら仲良いよな」


…はい?


「仲良くないし」
「仲良くねーし」


「あははっ声揃ってるし」
「ほら、超仲良いじゃん」


重なったあたし達の声に、ユリとハルはまたケラケラ笑った。

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