7つの願い石~願いの叶うその日まで~
電話の相手が誰か気になるけどそれを聞くつもりはあたしにはない。




だって電話を握り締めているお母さんの顔が悲しそうな顔をしているから。


そんな顔を見たら電話の相手が誰だかあたしにはわかる。





きっと医者だろう。



「うん。なんか目が覚めちゃって」



「そお…」




医者の話をお母さんはしようとしない。



きっとあたしを悲しませると思っているからだ。



でもね、お母さん。



あたしはわかっているんだよ。










あたしのこの命がもうすぐなくなることを。







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