180゜の世界
崩れる心
ただでさえ、重たい体が更に重たくなった。
「・・・忍。」
忍は、私の手を握りながら目を閉じていた。
もう慣れたこの白い空間に、点滴が二つと、テレビドラマでよく見かける緑色のマスク。
喉の痛みと、倦怠感。
筋肉痛、疲労。
色々な変化が私を包んでいた。
「・・・ありがとう。」
忍の手をぎゅっと握り返して、机の上にあったペンを取った。
ねぇ、忍。
私ね、こんなにつらい思いしたの初めて。
こんなに必死になったのも初めて。
あぁ、これが人の味わう苦しみなんだって、人間に必ず立ちふさがる壁なんだって。
今まで、散々人を見下してきた。
私より低能で、バカで、アホみたいだなって思ってた。
でも違う、全然私なんかより凄かった。
皆、苦労している、頑張っている。
生きる為に頑張っている。
そのことを、教えてくれてありがとう。
私、頑張るよ。
絶対挫折しないよ。
それでいつか、母と面と向かって笑える日が来ることを、祈っています。
莉亜。
白い紙を、そっと引き出しにしまって布団をかぶった。
私が死んだら、あの紙を見てほしい。
切実に願う――――。
「・・・忍。」
忍は、私の手を握りながら目を閉じていた。
もう慣れたこの白い空間に、点滴が二つと、テレビドラマでよく見かける緑色のマスク。
喉の痛みと、倦怠感。
筋肉痛、疲労。
色々な変化が私を包んでいた。
「・・・ありがとう。」
忍の手をぎゅっと握り返して、机の上にあったペンを取った。
ねぇ、忍。
私ね、こんなにつらい思いしたの初めて。
こんなに必死になったのも初めて。
あぁ、これが人の味わう苦しみなんだって、人間に必ず立ちふさがる壁なんだって。
今まで、散々人を見下してきた。
私より低能で、バカで、アホみたいだなって思ってた。
でも違う、全然私なんかより凄かった。
皆、苦労している、頑張っている。
生きる為に頑張っている。
そのことを、教えてくれてありがとう。
私、頑張るよ。
絶対挫折しないよ。
それでいつか、母と面と向かって笑える日が来ることを、祈っています。
莉亜。
白い紙を、そっと引き出しにしまって布団をかぶった。
私が死んだら、あの紙を見てほしい。
切実に願う――――。