掃き溜めの愛情


大学にいってまでやりたいことなんてなかったし


家になんていたくなかった。


知識も常識もない私にあるのはこの身だけだったんだから、間違ってるなんて思わない。




立ち上がろうとした瞬間に頭が揺れる。


「あ゛ーいたい」


片手で頭を抑えつつトイレをでるため歩く。


ドンッ



「っ」


「あ、ごめん!」


あと少しで外というところでトイレに入ろうとしてきた人にぶつかった。

明らかにおぼつかない足取りの私が悪いだろう。

痛む頭に耐え視線を男性に向ける。


「私が悪かったわ、ごめんなさい」


何でもないように笑って謝ると男性は驚いた顔をしていたけれど、急いでいたようで「いえ」と一言告げてトイレの奥に入っていった。



私も、もうトイレには何の用もないので家を目指して歩きだした。




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