クローバーの起こしたキセキ





「碧海〜起きてる〜?」




「なんとかね〜」




ふわぁぁぁ




二人一緒に大あくび。
遅寝したのに早起きをしたということで、私たちの目は半目だと思う。
まだ五時なので、学校まではまだ時間がたっぷりある。




「よし、行こう!」



「う〜ん」




制服に着替え、顔を洗ってから冷凍チャーハンを食べると目が覚めた。
足音を立てないようにカバンを持ってそーっと家から出る。
何を隠そう、私たちがこっそり家を出た理由は一つ。
童君を探すため。




「童くーん、いるなら返事してー!」




「光月ー、どこ・・・・・ふぁぁぁ」




私たちは公園、歩道橋、公民館、ホテルなどいろんな所を探して見たけど童君は見つけられなかった。
ひよこちゃんを見ると、もう学校に行かないと間に合わない時間になっている。
私は碧海に声をかけて、落胆しながら学校へ向かった。




「碧海、このまま童君が戻ってこなかったらどうしよう・・・・・。
私、やっぱりもうちょっと探してくる!」




「よしなって、また行きたいなら放課後!これは譲れないから」




ものすごい剣幕の碧海に、私は頷くしかなかった。






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