クローバーの起こしたキセキ





戸惑いながらも、あぁここは夢の中か、と理解する。
何もないのでぶらぶらとそこら辺を歩いていると、あるところに光が集まって行くのがわかった。
なんだろ・・・・・?だんだん光を集め形になって行くそれはりぼんになって行った。




「りぼんっ」




嬉しくて駆け寄ろうとすると、りぼんの横にもうひとつの光の集合体ができ始める。
りぼんに抱きつこうと走って行った私は、それに気づいて速度を緩める。
そして今度は誰が出てくるかじっと見た。
さっきのりぼんとは違い、人の形をしているように見える。
足、腕、胴、そして顔。
全てが揃ってから一際眩しく光ったので思わず目をつぶる。
そして恐る恐る目を開けるとそこには見慣れた彼がいた。




「麻美」




優しく私の名前を呼ぶのは、海原君だった。
りぼんのことも忘れ、海原君に問いかける。




「どうして、そんなに優しくするの、海原君・・・・・。
あんなに私に冷たくしたくせにっ・・・・・。
今更っ、優しくしないでよぉ・・・・・っ」






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