クローバーの起こしたキセキ
「麻ー美ーちゃーん・・・。
謝りもせずに一体どこにいこうというのかなぁ?」
やばい・・・碧海が怒ってる・・・。
碧海は実は、空手を習ってて黒帯なんだー。
だから今みたいに怒らせると・・・
「いいのかなぁ、ちょっと痛い目にあってもらっても」
と、なるわけです。
私も合気道習っててそこら辺の男子よりは強いけど碧海の方がやばい。
本気になると、腕の骨一本ぐらい折られちゃうかも・・・。
クラスの皆は知らないから、男子はよく碧海を口説きに来る。
碧海、本気で怒ってるし。
すっごいにっこりスマイルだけど、目が、目が・・・!!!!!
「えーっと・・・とりあえずごめんなさい!!!!今日はお母さんがいるんだ、だから早く帰って喋りたいの。
落として本当にごめんね・・・」
すると碧海はつかんでいた私の腕を放した。
「なーんだ、そういうことね。
麻美のお母さんあんまり家に帰って来ないでしょ?早く帰りなよ。
私はてっきり、やっと麻美に好きな人ができたかとおもったんだけどなぁ・・・」
「な!?私だってちゃんとい・・・ないけど、できるもん!そんなにお子さまじゃないもん!」
ほっぺをパンパンに膨らませて抵抗を試みたけど、
「あーはいはい。
はやく行けばー」
と、軽くあしらわれただけだった。
碧海には一生勝てないと悟った瞬間だった。