クローバーの起こしたキセキ





屋上に入って空を見上げる。
雲ひとつない青空。
さらさらとそよぐ風。




いつもは下ばかり見ていて気づかなかった。
空が青く、どこまでも広がっていることに。




「わぁ、きれぇ・・・・・」




ハトたちがバサバサっと空を駆ける。
普段はちょっと怖いイメージがあったけど、こうして空を駆けているのを見ると、感動してしまった。




「この景色、海原君に見せてあげたいなぁ・・・・・」




空を見上げるようにして寝っころがる。
予鈴が鳴っているのが聞こえてきた。
・・・・・まだ行きたくない。
よし、サボろう!




カバンは教室に寄らずにここに持ってきているので、バレる心配はおそらく無い。
碧海は意外と心配性なのでこないだみたいに探し回りかねない。
私はケータイを取り出して、碧海に写真付きメールを送った。




 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
to碧海
from麻美
件名:無し
添えつけ:画像ファイル1
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
碧海ー。
麻美だよ(^O^)/

私、人生初のサボリする!
先生に言い訳よろしく(((o(*゚▽゚*)o)))

綺麗な景色プレゼントするから怒らないでね❤︎
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄




こう打ってから、ケータイの蓋をぱたんと閉じた。
ポカポカと暖かい日差し。
日焼け止め塗ったっけ、私。
まぁ、塗ってなくても私塗る気力起きないけどね。






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