センセイの白衣
「はるちゃん、川上先生にお土産渡せたの?」


「はいー!それはもう。」



にやける私を、職員室で微笑ましく見つめる倉木先生。



「そう、よかったね。あ、これなんだけどさ。県の高校生の文化祭。短歌部門に、はるちゃん出してみたら?」


「え?文化祭ですか?」


「そうそう。3首以上5首以内、だって。」


「出してみます!」



実を言うと、大会の練習の時に詠んだ歌が、たくさんあるんだ。

それを、どこかに出してみたいって、思っていたから。



「じゃあ、この原稿用紙に縦書きね!」


「はい!」



短歌も恋も、上手くいっているような気がしていて。

いまいちなのは勉強だけ。

でも、そんな私が、私らしいんだって思って。

成績が上がらない自分を許せるようになったのは、川上先生のおかげだったんだ。
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