Wonderful DaysⅡ


もし部屋に入って、眠ったばかりの魁さんを起こしてしまったら、きっと辛いよね……

少しでも顔を見たいなんて思っていたけれど、魁さんの体調を考えれば今日は諦めた方がいいのかもしれない。


「君が、マリアさんなのかな?」


しょぼんとした私に、名前を聞いてきた先生。


「……はい」


───何で、先生が私の名前を知っているの?


そんな私の疑問は、すぐに解消される。

返事をした私に「やっぱり……」と呟いた先生は


「彼が、さっき君の名前を呼んでいたよ」


「えっ!?」


「夢の中でね」


どっきり発言をする。

魁さんが夢の中で、私の名前を呼んでいたの?

それを聞いただけで、顔に熱が篭ってくる。

どんな夢かはわからないけれど、魁さんの夢の中に私が登場しているなんて……

嬉しくて、鼻血が出そうなんですけど。


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