女達の戯言
結果として私は
上司のシブイ顔にめげることなく
江藤さんを採用した。


と言っても
あくまでも補欠要因だけど。


それが縁でと言うか
まぁ、なんと言うか
江藤さんと私は
仕事を辞めた今も付き合いがある。


江藤さんは実に本を沢山読む人だった。


なので
「父が他界して毎年行っていた
海外旅行が国内旅行になりましたの。」
や、
「自分で働いたお金で生まれて初めて
お洋服を買いましたの。」


と言ったような少しずれた
話をしていても
本の話題が私たちを繋げた。


ありとあらゆるジャンルを
読む江藤さん。


全く興味のなかった辻仁成も
江藤さんに勧められ
確か「白仏」だったか
貸してもらい読んだ記憶がある。


意外にもすんなりと物語に
入っていき読むことが出来た。


< 39 / 61 >

この作品をシェア

pagetop