女達の戯言







「課長も止めたらどうですか?体の為にも」







喫煙ルームを出ていく前に何となく言ってみた

するとーーー





「私は止めないわよ。タバコも、そしてーーー気になりかけているあなたの事もね」













今、俺は喫煙ルームで彼女に夢中でキスをしている

タバコの匂いに混じって彼女の髪から甘い香水の匂いがする

俺の理性が飛びそうになる

けれどここはオフィスの喫煙ルーム

いつ、誰が来てもおかしくない






止める?

止めない?






彼女が更に俺の首に腕を回してきた

ああ……、彼女は止めない

そして、俺も止めない

いや、止められない

今、俺たちは漸く動き出したんだ

だから、誰にも止めさせない

もう、止まらないよ











きっと今夜抱くであろう彼女の体をさらに引き寄せると

俺は深く深く彼女に口づけた








【止めない女】



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