恋人遊戯



それは、肯定を意味していた。



「子供がそうやって、本気なんて…言ってられるが、大概が勘違いだ」





そう言い捨てられてしまった。

…兄さんも、そんな恋をした事があるのかな…?


…そう言えば、兄さんの過去って余りっていうか、全然知らない。



父…さんが死んで5年がたつ。



それ以降の兄さんも…香輝も誰も知らない。

けど、よく見れば兄さんの左薬指にはシルバーの細いリングが光っていた。



「……兄さん…は、恋人がいるんですか?」

「…昔の話だ………」



一瞬、悲しげな顔をしたかと思っていたけど、私の方を見たかと思ったら…冷たい言葉を投げ掛けた。



「…お前にも、重々言っておく。余り軽はずみな行動は関心できない」


「はい…」




そうこうしている内に香輝が入院する病院へと辿り着く。



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