嘘と元カレとネックレス

***




「今回の案件だが、侵入して捜索するのは一度失敗してる手前また、同じようにやれば、怪しまれる確率が高い」


「すでに、佐倉は完全に知られてしまってるうえ、何かと動きづらい」


「そこで、安西、舟木には降りてもらい他の案件をあたってもらうことにする」


「「はい」」


「あの、私は……?」


「佐倉は引き続きこの件を担当してもらう」


「え?だって、私もう顔ばれてますよ」


「だからだ。とりあえず、アパートの住民ということになっている。それを逆手にとって、接触し、依頼物を手に入れる」


「多少時間がかかるがこの方が怪しまれず、手に入れられる確率が高い。やってくれるな佐倉?」


「……はい」


「実際にアパートに住んでもらうから、そのつもりでよろしくな」


「……はい」




仕事を任せてもらえるのは十分嬉しい。


でも私は違うことで悩んでいた。




彼と接触しなければならない。



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