Sweet*Princess


「先輩は…「壱斗」


「あ、壱…斗は、私でいいんですか?」


「何が?」


「その…、結婚相手が私で」


「んー…、結婚はまだ早いかなって思うけど。俺まだ17だし。姫乃もまだ16だろ?」


「はい、まぁ…って、私が言いたいのそんなことじゃないんですけど」


「あれ?違った?まぁ、いーや。そろそろご飯だって。リビング行こっか」



……なんかはぐらかされた気がする。



それにしても、壱斗って私のイメージではもっとクールなのに。

意外と喋るんだなぁ……



「壱斗って、私のイメージと全然違いますね」


「ふーん…姫乃の中の俺のイメージはどんなの?」


「なんかもっと…、無口だと思ってました。“氷の王子様”って呼ばれてるくらいだし」


「ハハ。氷の王子様って何?」


「知らないんですか?!壱斗はクールだけどたまに見せる笑顔がすっごいいい!って、女の子から大人気なんですよ?」


「え~?俺が?初めて聞いた」



初めてって…、廊下通る度にキャーキャー言われてるのに?



この人ってもしかして…、鈍感、そして天然…?



「俺そんなキャラじゃねーよ。確かにあんま喋んないけど友達といる時はずっと笑ってるし」



王子様とかありえねー、って笑ってるけど、その笑顔が王子様だよ、うん。


好きな人がいる私でも思わず見惚れちゃうし……



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