Sweet*Princess
「史斗さん!」
私が呼ぶと、史斗さんは立ち止まった。
「………ッ!!」
背筋が凍ったって、きっとこういう時のことを言うんだ。
だって、史斗さんはすごく
冷たい瞳で………
「なんで連れてきた」
低い声
本当に怒ってるんだ……
でも、負けちゃいけない。
亡くなった美沙さんのためにも。
「話、聞いてください。秋山さんの話を」
「なんで?」
「…救われるから。史斗さんも秋山さんも、美沙さんも……!」
私がそう言った時
ほんの一瞬だけ史斗さんの表情が変わった気がした。
「もう誰も憎まなくてよくなるかもしれないから…!」
「ほっとけ。お前には関係ない」
「確かにそうですけど!でも、好きだった人を憎むなんて……悲しすぎます」
「…………」
私は、何があっても壱斗を憎むことなんてできない。
壱斗を憎むくらいなら、自分を憎むよ………
「…あ……」
その時、思ったんだ。
史斗さんは、美沙さんを愛してた。
もし、私と同じなら……?
「まさか、史斗さん……!!」
*