私は男を見る目がないらしい。
 

ハァと息をついてようやくのそのそと起き上がった私は、パンを一欠片口に入れ、外に出る用事はないしと部屋着のまま溜まっていた洗濯や掃除をし始める。

何も考えずに、身体が動くままにとにかく家事に没頭した。

そのおかげで、時計の針がてっぺんを指し示す頃には、部屋がすっきりと片付いていた。


家事が一通り済んだ後、ふと携帯を見るとランプがピカピカと点滅していた。

メルマガでも着ているんだろうかと携帯の待受画面を開いてみると“新着メールあり”の文字があり、そのメールを開くと……

送り主に“長谷部さん”という文字が表示されていた。


「……長谷部、さん?……あぁ!」


一瞬誰だろうと思ってしまったけど、合コンで会った人だとすぐに思い出す。

そういえば連絡先交換したんだった。

朔太郎のことで頭がいっぱいで、すっかりさっぱり忘れてしまっていたけど……、その長谷部さんが一体何の用だろうか?

メール本文を読み始める。

 
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