私は男を見る目がないらしい。
 

確かに突然すぎるけど……気晴らしするにはいいかもしれない。

ここにいても、さっきみたいに朔太郎のことを思い出して悲しくなってしまうだけだ。

そんな虚しすぎる一日を過ごすのはごめんだ。

長谷部さんと話していれば、きっと朔太郎のことなんて頭の中から出て行ってくれるはず。


「……いえ!大丈夫です!」

『え?』

「今日、すっごく暇だったんです!それに飲みたい気分でしたし。ぜひ!」

『本当ですか?それは良かった!じゃあ、店の予約ができたらまた連絡します』

「あ、お願いしてもいいんですか?用事があるなら、私がどこか適当に探しておきますけど……」

『大丈夫ですよ。ビールの種類がたくさんあるいい店見つけてたんです。ちょっと郊外になるんですけど、いいですか?南区の方です』

「南区ですか?それならむしろ大丈夫です。うち、実は南区で」

『あ、そうなんですね!なら良かった!じゃあ、また後で』

「はい!楽しみにしてます!」


ビールの種類がたくさんある、という言葉でテンションが上がってしまった私は、普段は出さないような声で電話に向かって話していた。

それに対して嬉しそうに長谷部さんが相槌を打ってくれて、何か嬉しくなった。

 
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