私は男を見る目がないらしい。
「……美桜」
「っ!」
「……抱きたい」
「!!!」
久しぶりに耳元で聞く甘さと切なさの混ざった声と言葉に、びくっと身体を固まらせてしまった。
……何でそんなに切なそうな声で……
様子がいつもと違う気がして何も言えずに止まってしまっていると。
くくっ、と朔太郎の身体が震えだして、私はしまった!と自分の愚かさと朔太郎の最悪さ気付いた。
「……ぶっ!身体固まらせすぎだろ。くくっ」
「!やっぱりからかったの!?さいってい!」
「は?別にからかってなんてねぇけど?」
「~~っ」
背中から再びくすくすと笑う振動が伝わってき始める。
高校の時も、数ヶ月前も、朔太郎に背中から抱きしめられるのがすごく好きで、冗談を言ってるのに私に触れているからか速い鼓動とか、くくくっと笑う振動とかが背中を通じて伝わってくることに、すごく幸せを感じていた。
でももう、そんなことは思えない。
……せっかく新しい“恋”が始まろうとしているところなんだから、思っちゃダメなんだ。