私は男を見る目がないらしい。
 

とんでもないことをさらりと言い放った朔太郎に耐えられなくなって、私は飛び出すように出ていってしまった。


「あ、っていうか、小西くんって相原さんのこと」

「たっ、田仲さん!!!」

「あれ?相原さんいたの」

「たった今!来ました!そっちの扉から!!!」


あまりにも焦りまくっている私に対して、朔太郎がくくくっと可笑しそうに笑っている。

田仲さんは何も疑いもせず「気付かなかったなぁ」と納得しているけど。

くそ~っ、この男、最初から私がこの部屋にいることを気付いてたんだ……!

やられた!


「ちょうど良かった。小西くんがまた勉強したいって言ってるんだ。相原さん、よろしく頼むよ」

「嫌です!」

「え、何で」

「言いましたよねっ?さ、小西くんの相手してたら自分の仕事が追い付かなくなるんですって!」

「あ~大丈夫大丈夫!ほら、最近仕事も減ってきたし。今までみたいに無理な仕事を引き受けなければ大丈夫だって。あれだったら三浦さんに相談するとか」

「でも……っ」

「俺からもお願いしたいな。相原さんのお陰で顧客もたくさん取ってこれてるんだ」

「!」


私と田仲さんの会話に割り込んできた朔太郎は、また妙なことを言い放ってきた。

そんな話初めて聞いたし、絶対に口から出任せでしょ!?

ここで折れたら負けだ!

頑張れ、私っ!

 
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