私は男を見る目がないらしい。
 



はぁ~、と私はベッドに気だるく身体を沈ませる。

想いを確かめ合った後、離れていた8年間を取り戻すように、何度も、何度も、求められて、……私からも求めた。

心も身体も満たされたけど……さすがに疲れた。

もう、これ以上は無理。

このまま寝ちゃったらきっと気持ちがいい、と思った時、すぐ隣にゴロンと転がってきた朔太郎が私のことを引き寄せて抱き締めてきた。

その湿った肌はまだ熱いけど、すごく心地いい。

肌を合わせた感じも昔とは全く違う。

昔の朔太郎の身体はお肉たっぷりで「私より柔らかいんじゃない?」なんて言って、お腹のお肉を摘みながら笑っていたけど、今はもう、立派な男。

適度についた筋肉と引き締まった身体に何度もドキドキした。

……もちろん、今もだ。

あんなに触れ合ったのにまだ触れたいと思ってしまうなんて、どれだけ私は貪欲なんだろう?

私は顔を上げて朔太郎の頭を引き寄せて、唇に触れた。

一瞬、朔太郎が驚いたようにぴくっと身体を反応させたけど、すぐに私の唇に吸い付いてきた。

 
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