私は男を見る目がないらしい。
 

「わっ!大丈夫っ?すごく顔色悪いけど」

「あー……はい、大丈夫……じゃないかもしれません……」


頑張って、へらっと笑う。

それに対して、三浦さんにさらに心配そうな表情が浮かんだ。


「体調悪いなら、今日は帰った方がいいんじゃない?ね、そうした方がいい」

「うーん……でも、仕事が……いつまでだったか……」

「午後の仕事はどれ?」

「あ、これです……」


だるい身体を必死に動かして、デスクの上に乗せていた資料を三浦さんに渡す。


「んー、これなら今週中に終わらせれば大丈夫だね。うん。今日は帰っても問題ないよ」

「……本当に、いいですか?」

「無理する方がダメだって。それに、そんなんだと集中できないよね?」

「……う、はい……たぶん……おそらく……。本当にすみません」

「大丈夫だから。よし。じゃあ、ほら!帰る用意して。タクシー呼ぼうか?」

「あ、いえ。15分だし、頑張って帰ります……」

「そっか。でも、気を付けてね」

「ありがとうございます」


私は促されるままに、のっそりと帰る用意をして、三浦さんに会社の入り口にまで連れ添われて、帰宅した。

 
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