櫻唄
「沖田くん、どうかなさいましたか?」
山南さんは彼を“沖田”と呼んだ
それは山南さんから預かった文にも書かれていた名前
私は彼が沖田さんかと思っていると
「山南さんとそこの君、朝食らしいし、早く広間に来てくださいね」
ニコリと笑みを残して歩いていった彼の背中を見つめていると山南さんに声をかけられる

「では、行きましょうか。」
私は山南さんの背を追い、広間へと足を踏み入れた
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