恋物語。
―それから。
家の中に通されて…彼の家族が集まるリビングへと足を踏み入れた。
テレビの前に置かれたL字型のソファに、3人が座っている。
家族構成は…事前に聡さんから聞いていた。ご両親とお姉さん、弟さん。
そしてお母さんが、お父さんと思われる人の隣に腰を下ろした。
「じゃあ知沙、ここ座って?」
「あ…はい…」
聡さんにそう言われてテーブルを挟んで彼の両親の前にある二人掛けのソファに彼と座る。
ドキドキドキドキ…
「じゃあ、みんなに紹介するよ。こちら…婚約者の坂井 知沙さん。」
私に手を差し伸べ家族の皆さんに私のことを紹介する彼。
その動きに合わせて私は軽く会釈をした。
「次。俺の家族、紹介するね?こっちが、うちの両親。」
彼はそう言い、目の前の人たちを紹介してくれる。
左側にお母さん。右側にお父さん。
あ…。聡さん…お母さんに似てるかも…。
「で、こっちにいるのが…姉の由子(ゆこ)と弟の誠(まこと)」
L字型の曲がった直後、そこに座るのがお姉さんで、その隣が弟さん。
聡さんはご両親を紹介してくれた時と同じように紹介してくれた。
「……」
お姉さん…綺麗な人だなぁ…。弟さんだって、かなりモテそう…。
彼の姉弟(きょうだい)を見て素直にそう思う。
“美男美女”って言葉が本当によく似合う兄弟だと。
「ねぇ!知沙ちゃんって、いくつなの?誠よりも若く見える気がするんだけど…」
すると彼のお姉さん・由子さんにそう聞かれた。
「あ、えと……27、です…」
「えぇー!?マジで俺より年下じゃん!兄貴、どうやって捕まえたの?」
私の発言に驚いたらしい弟の誠さんがそう言い彼を見る。