恋物語。
そういえば…どこに向かっているんだろう…?
そう思ったのも束の間、とあるドアの前で彼は立ちまりドアノブに手をかけ、それを開けた。
「……ここは?」
「楽屋…っていうか、まぁそんなとこ。入って?」
「あ、はい。へぇー…こんなとこまで用意して…ッ」
言いながら部屋に入ると後ろから抱き締められた。
「っ…!!さ、聡さん…!?」
いきなりの行動に私は慌てふためく。
なに…!?何何何なに…っ!?
「ごめん、俺…モデルやってる知沙見てたら嫉妬するかも。だから充電。」
「えぇ…!?」
じゅ、充電…!?っていうか嫉妬…!?あの、いつも余裕で大人な聡さんが…!?
「とりあえず、このままで説明するね?」
えぇっ…!?こ、このままって…っっ
私のことはお構いなしで彼は話し出す。
「着てもらう服は、その袋に入ってるから。で、ここの鍵は…俺が預かっておく。」
「あ、はい…分かりました…」
ドキドキドキドキ…ッ
もうそんなことより…ドキドキしすぎて死にそうなんですけど…っっ
「じゃあ…外で待ってる」
「っ…!」
彼は小さく呟くと私の頬にキスを落とし私から離れる。
・・・・・
「え…?」
その意味がよく分からず彼に振り返った。
「ん…?着替えるとこ、見ててもいいの?」
「っ…!!!/// だ、ダメですっっ!!!」
「ふふ…じょーだん。なのに真っ赤になっちゃって…可愛すぎでしょ。」
ようやく理解できた言葉に慌てて言い返すと、いつもの余裕な顔でそう言われてしまった。
「////…」
あぁもう…やっぱりだめ…。今日はいつも以上に翻弄されてる気がするんだけど…。
「じゃあ…待ってるから」
聡さんはそう言って一旦、その部屋から出て行った――。