恋物語。




―十数分後。


部屋に置いてあった紙袋の中に入っていたのは、この間着たのと同じパステルカラーのルームウェアと黒のニーハイソックス。
それに着替えて用意されていたスリッパを履き、さ…井上さんのあとをついて行くと撮影スタジオへと、たどり着く。




「みんな、お疲れさまー」



「「お疲れ様でーす」」


井上さんがスタジオ内にいる人たちに声をかけると大勢の声が揃って聞こえてきた。



「みんな、ちょっと集まってくれる?」


井上さんのその声に続々と人が集まってくる。




ドキドキドキドキ…




うぅ…緊張する…こんなに大勢の人に注目されるとか…っ
あ…純也くん、いる…。




集まってきた人たちを見渡していると親友の朱里の彼氏・純也くんの姿を見つけて会釈をした。
すると向こうもそれに気づいてくれて会釈を返してくれた。



「これで全員かな…?こちらが今日モデルをやってもらう、ax famの坂井 知沙さん。こういう撮影は初めてだから、みんなよろしくな。」



「「はい。」」


井上さんが私を皆さんに紹介する。



「じゃあ…坂井さん、何か一言お願いできるかな。」



「あ、はい…。えと…」


井上さんを見たあと皆さんの方を向いた。




ドキドキドキドキ…




「こういう撮影は本当に初めてなので不安なんですが…皆さん、お手柔らかにお願いします。」


私はそう言ってお辞儀をすると、たくさんの拍手が沸き起こる。



「じゃあ、もうそろそろ始めようか!」



「「はいっ!」」



そしていよいよ、カタログ撮影が始まった――。





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