恋物語。
「ねぇ…ほんとにまだ…?」
「っ…」
だ…誰のせいだと思ってるんですか…っ!!あなたのせいですからね…!?
「あ…。」
聡さんの攻撃に負けないよう、マグカップを選んでいると…ある“一点”と目が合った。
「聡さん、これ…よくないですか…?」
私は両手で“それ”を手に取り彼に見せる。
「ん…?ペアマグ…?」
私の目に留まったのは…ペアのマグカップ。色はピンクと水色の色違いで…
「あ…ハートマークだ。」
「でね…?こうしたら…」
一つ大きなハートマークがそれぞれに描かれており、カップ同士を合わせると…半分色の違う、ハートが完成する。
「…いいじゃん、これ。これにする?」
「いいんですか…?」
「今さら何、言ってるの?いいに決まってるでしょ。」
「そう、じゃなくって…っ」
私が言いたいのは、そういうことじゃない…。
「ん…?そうじゃない…?」
「聡さんのも…これでいいんですか…?」
聡さんがいいのかを聞いているの…。
「ふふ…ほんと可愛いね?」
「へ…っ!?」
い、今の会話と…どういう関係が…っっ
「そんなの…嬉しいに決まってるじゃん。初めての…知沙との“お揃い”なんだから」
「っ…!」
聡さんはそう言うと…私のほっぺにキスをした――。