恋物語。



―あれから数日。


朱里は、ますます元気がなくなっていって…




「朱里~…元気出しなってばー…。」


そんな親友を、どう励ましていいのか分からないでいた。
ちなみに今は…オープンテラスのカフェにいる所。



「うーん……でもさ…?最近ますます、怪しいんだよ…?これって、おかしくない…!?」



「だったらさ…?純也くんに直接聞くっていうのは…?」



「それ……知沙なら出来る…?」



「え…?」


真剣な眼差しの朱里に逆質問される。



「もし知沙が私と同じ立場で……井上さんに“それ”聞けるの…?」



「……」




私が…朱里と同じ立場…?


聡さんの行動が怪しくて…不安になって…
でも彼のことは大好きで、別れるなんて絶対に嫌で…。




「無理だよ……そんなの聞けない…」


想像しただけなのに泣きそうになった。



「でしょ…?私だって…知沙と同じだよ…。」


朱里は呟くようにそう言ってテーブルに伏せる。



「朱里…」




だよね…?辛いよね…?大好きな人を疑わなきゃいけないなんて…。




「え…!?」


その時、道路を挟んだ向こう側…“とある人物”を見つけた―。




「ん…?どうしたの?知沙」



「あれ……純也くん、だ…」



「え…!?」


私が指差す方向を朱里が見る。


そこには確かに朱里の彼・純也くんがいた。
でも、その隣に…




「誰…?あの人…」




朱里も知らない、女の人がいた――。





< 85 / 148 >

この作品をシェア

pagetop