恋物語。



―次の日、夜。


私は“ある人”を連れて聡さんとの待ち合わせ場所へと向かった。




「…いらっしゃいませ。お二人、ですか?」


そこは、とあるカフェ。入るとすぐに店員さんにそう尋ねられる。



「あ、いえ…待ち合わせ、してて…」


店員さんにそう言って辺りを見回すと…すぐに“彼”の姿を見つけた。



「…あっちです。」


私はそれだけを言って“彼”の元へと向かう―。




「……聡さん…お待たせしました。」



「待ってたよ、知沙。それと……瞳。」




―そう。


私が連れて来たという人は、この全ての元凶である…早川さん。




「先輩…!?坂井さん…これは一体どういうこと…?」


聡さんがいることに驚いているのか早川さんは目を見開いて私を見る。



「それは……早川さんの方が分かっていると思います。とりあえず、そこ…座って下さい。」



「……。」


早川さんは何も言わずに私の言うことに従い聡さんの向かい側に座った。
私は…聡さんの隣へと腰かける。



「…いらっしゃいませ。何になさいますか?」


するとすぐに店員さんが注文を聞きに来る。



「じゃあ……コーヒーで。」


早川さんは聡さんの頼んでいた物に一瞬目を向けてそう言う。



「知沙は?」



「あ、じゃあ…ホットミルクティー…」



「はい、かしこまりました。」


一礼をして店員さんは去って行った。



「瞳……キミが何をしたのか分かってる?」



「え、何って…。別に私は…何も…」


聡さんがそう言ったって…早川さんは悪びれる様子を見せない。





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