【更新中】キミの声、聞かせて
「済まないね。助かるよ。ありがとう」


しばらくして直樹と樹音は帰って行った


「樹里、もう大丈夫」


《ありがとう》


文字を書くことの出来ない樹里は口パクでそう言っていた


「俺、此処に居るから」


濡れたタオルを額に乗せながら話す


「申し訳ないとか思うなよ。樹里のことが心配だ。」


多分、この状態で家に帰ったら心配でソワソワしっぱなしだから


「俺がね、樹里の存在を必要としてるの。話せなくたって樹里は樹里だ」


その言葉を聞いた樹里は泣いていた


「今は泣け。辛かった分まで俺が受け止めるから」


受け止めることも俺の役目


思った以上に俺には樹里の存在が必要だ


周りがなんと言おうと俺自身が樹里を必要としてるから傍に居る


……ただ、それだけのこと
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