情けなくても君がいい

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バレー部大好き。
クラスみんな大好き。
勉強もそこそこできて
スポーツ大好き。
今の環境に文句あるってわけじゃないけど
なんか物足りない気がするんだ、

特に有名でもないこの街の
某中学校2年生の1生徒
それが、うち、斎藤希風ーサイトウノノカーだった。



争いごとが嫌いだから
めんどくさいから
テキトーに合わせてればいーやって
思ってて。

時々いる何事にも全力で
ぶち当たってく怖いもの知らずな子をみて
すげぇな、あの子って
ゆるーく思ってた、そんな日。


いつもと変わらない
何も変化の無い日、そんな日に
あなたに、出会った。

「メアド、教えてよ!」

笑顔で言ってくるその人は
同じ学年の、有名な男子...

木下広翔ーキノシタヒロトー
かっこいい顔
身体能力すごくて
あー、馬鹿だっけ。
背は低い。
でも、笑顔が眩しくて、
こっちまで笑顔になれちゃうよ。


広翔とのメールは
なんだか曇りで
広翔の好きな人の話をしてて。
広翔は学校での様子と全然ちがくて
自分に自信持ってなくて

うちはとりあえず励ました。

広翔の恋が叶うといいな、とか
思ってる反面...

どこか広翔に惹かれる自分もいて...

って、気づくのはまだあとなんだけど。



誰かを思って泣いたことのないうちに
広翔は、たくさんのものをくれた。

うちは普段、のんのんって呼ばれてたけど
広翔は違った。

「ののか」

そうやって、呼び捨てで呼んでくれた。

なんだかくすぐったくて
おかしくって、広翔のことを

いつからか
目で追うようになった。



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ある日突然広翔から
告白された。

「...だめかな?」

告白されたことはある。
でもこんな風に頭が真っ白になったり
答えに困ったことはない。


広翔なら。
楽しくて、充実した日が送れると思って。

OKした。


もし、名刺つくるとしたら

肩書きに
広翔の彼女ってかかれるのかな


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