好きじゃない、はず。―ラブレター・マジック―

廊下を歩きながら手にしたいちごオレを見て思わずニヤけてしまう。

周りから見たら絶対に変な人。

だけど、嬉しくて。

飲むのは勿体ないけれど、冷えてる内にちゃんと美味しく飲みたい。

そんなにレアなものではないけど、あたしにとっては何よりも嬉しいプレゼント。


「……気持ち悪い」


教室に入って最初に顔を合わせた広里君に開口一番にそう言われた。


「そんなハッキリ言わないでよ……」

「……平野もそんな顔するんだな」

「……気持ち悪い顔ってことですか?」

「そうじゃなくて。いや、それも多少あるけど」


あるのかよ。


「そんなに幸せに満ち溢れた顔するんだなって」


幸せ……。

確かに……そうかもしれない。

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