紅Ⅱ(クレナイ)~解き放たれる鎖~


「蓮は私の物よ。取らないでね」


「は?」


「ルキア」


「なーに?蓮」



肩に乗っていたルキアの手を払いながら冷たく言い放つ蓮に、甘えた声を向けるルキア…


そんな二人を、私はただただボーゼンと見ていた。




何だか…、二人が初対面には見えない。


そんな雰囲気が二人の間にあった。




まるで誰も…、私さえ入る事の許されないそんな雰囲気に、一気に不安に駆られる。




「お前とはもう終わっているだろ」


「…それは」


「どんな理由であろうと勝手に俺の前からいなくなった。…もう、お前とはそれで終わっている」



え?




二人は…、


付き合っていた?




唖然と二人を見る。



ルキアが蓮の前から勝手にいなくなった事で、二人の仲は自然消滅したと---


すぐにそう解釈する事が出来たけど…



それって別に嫌いになって別れたわけではないと言うことだよね。



蓮?


どう言う事?


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