紅Ⅱ(クレナイ)~解き放たれる鎖~


「瀬谷君、あの…」


「………」



私の声なんて聞こえていないかのように無視し、足を進める。


そんな瀬谷君の背に向かってまた、私は声をかけた。




「あ、ありがとうっ!」


「………」



ピタリ…、


と立ち止まった瀬谷君が、振り返る。




その顔はどこか呆れた表情をしていて、私はキョトンと首を傾げた。




え?


もしかして、お礼を言ったのって変だった?




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