TSUBASA
車が見慣れた屋敷の中へと入っていく。


あんなに一生懸命逃げたのに、捕まるのは案外呆気なかった、な。


車から下ろされ、屋敷の玄関が開く。


この中に入ってしまったら、本当に一生この中で暮らすんだろう、な。


イヤだと思った、、、


思ったけど、最後くらいは自分の意志で決めよう。


じゃなきゃ、ぶつけようのない気持ちばかりが大きくなって行くだけだ。


だから、あたしは自分の足で中へと足を踏み入れた。


「離してやれ」


アキの言葉で、あたしのことを捕まえていた男たちの手が離れる。


「良いんですか」


アキに確認する。


「もう、逃げる意志はねぇだろ」


アキの言葉に、誰もそれ以上言わなかった。

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