ただ、そばにいて
『夜まで誰もいないから、家においで』


そう言われ頷いた私は、海から歩いて五分もかからない場所にあるナツの家に向かった。

久々に入るけれど、昔とあまり変わったところはなく、懐かしさがじわりと胸に広がる。

変わったのは、私達の関係だけだ。


ひとまず身体を温めるためすぐに二人でバスルームに向かうと、ナツは躊躇いなく引き締まった身体を露わにする。

海へ行っても、いつもウェットスーツに身を包んでいるナツだから、目のやり場に困る……。

私も、今着ているのは下着ではなく水着なんだから!と言い聞かせ、思い切って服を脱ぎ捨てると。



「ひゃっ!」



後ろから抱きすくめられて心臓が飛び跳ねた。

触れ合う素肌が温かくて、すごくドキドキするけど心地良い。



「ナツ……!」

「ごめん、つい」



“ごめん”と言いながらまったく悪びれた様子もなく、ナツの手は水着の中へと差し込まれる。

柔らかな唇にうなじを吸われ、思わず身震いした。



「や……っ」

「目の前に好きな女がいたら、抱きしめたくなって当然でしょ。しかもこんな裸に近い状態なら尚更」



巧みに動かされる手から、快感が身体中を駆け巡る。

背中に感じるナツの鼓動も速くて、私と同じなんだと思うと少し嬉しくなる。

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