ヤクザの家族になっちゃった!?




家に帰って、ビキニを当ててみる。

…やっぱり、似合わないかなぁ?

うーん、

悩む。

けど、るりが似合うって言ってくれたし、

るりを信じてみようっ!

そう覚悟して、海に向けてダイエットを始めた。

っていっても、あと一週間後なんだけどね。


「和泉」

部屋の外から声がする

大好きな人の声。

私は慌てて手に持ってるビキニを隠し、

ふすまを開けて返事をする。

「どうしました?」

「…水着、着るのか?」

そう聞いてくる彼の視線にさっきの水着はうつってなくて、

私の目をしっかりとみてきた。

…それ以上見られると、顔、赤くなりそう。

だけど、視線はそらせない。

捕まえられたように、視線をそらすことができない。

「着ますよ?」

出来るだけ平然とした感じでそう言うと

優しく笑って

「買いにいくか?」

そう、聞いてくれた。

…あー、

買っちゃったよ…

少しバツの悪そうな顔をしてしまったからか、

途端に龍之介さんの眉間にシワがよる。

「あ、えっと…
さっきるりと二人で買ってきちゃったんですよ」

そう、慌てつつも説明すると

優しい声で

「そうか、二人か…。」

そう、言った。

なにが嬉しかったのかわからないけど、

機嫌がなおってよかった

と安心してると

「今、着ないのか、」

そう、寂しそうに呟いた彼。

…え、今っすか

「ちょっと今は…」

ダイエットしないとお腹のお肉が…

「なんでだ?」

意味がわからないとでも言いたげな顔でそう言った。

なんで着るってなるのか、私はそこがわからないっ!

なんて心のなかでは反発するけど、

口には出さず。

「…あっと、後々のお楽しみ、ってことで!」

なんて、自分でも意味のわからない発言をしてしまった。

お楽しみもなにも、龍之介さんが楽しみにしてるわけないじゃん!

なんて、自分で自分に突っ込む。


けど、龍之介さんの反応は予想外のもので

「お楽しみ、そうだな。

楽しみにしておく」

そう、優しくいってくれた。

気を使ってくれたのかな?

私はそう解決して、

龍之介さんと一緒に厨房へ向かった。


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