ヤクザの家族になっちゃった!?


作り終わり

お皿に並べてるとき、

龍之介さんが声をかけてきた

「なぁ。
コウたちも行くんだろ?」


「…え?」

どこに?

って聞こうと思ったけど、やめた。

わかったから。

どこのことをいってるのか。

私はなにも言わずに首を振った。

龍之介さんは、きっとなんでつれていかないのか気になったとは思うけど、

なにも聞かないでくれた。


だから、内緒で話を進めてたのに…






「いずねぇ!海にいくんだよね!?」

「私たちも行くんでしょ!?」

「海うみ!」

そう、問い詰められたのはご飯が終わったとき。

どこから漏れたのか…と悩んでたけどまず、

私の爪が甘かったことに気づいた。

この話をしたときすでに、

コウたちは家にいたんだ。

話が聞こえててもおかしくない。

それにきっと、大河達も連れて行くつもりでいたみたいだし

そこら辺から誘われるのも無理はない。


…どうしよう、

と悩み悩んだ結果、

説得してみようと言う結論に。

「海ってね、こわーいところなのよ?」

少し脅すとびくつく幸子とコウ。

けど美幸は

「竜が守ってくれるよ!」

って。

そんな発言をされ、二人も安心したように笑った。



…うぅ、

そんなキラキラした顔で見られたら、

ダメだなんて言えないよ、


私の決心はいとも簡単に崩れ、

結局三人も連れていくことにした。

けど、ひとつ約束。

「ぜーーーったいに、海に入らないこと!」

「「「はーい」」」

なんか、わかってるのかわかってないのか、

生返事をした三人。

当日もきちんと言いつけよう。

と、心に決め、

コウ達の分も着替えを用意した。


海にいくまで、あと少し。




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