ヤクザの家族になっちゃった!?


なんて、自分の弟にメロメロになってた頃

ガチャリと扉が開く音がした。

警戒してバッと勢いよく振り返ってみると

零夜さんが悲しそうな顔で出てきた。

そして一言。

「…追いかけてくれてないんだね」

…恋する乙女ですか、ちょっと

そう思いつつ笑ってしまった私。

するとズカズカとこっちに向かってきた零夜。

「渡さないからな。」


そう、一言言ったはいいんだけど、

胸ぐらを捕まれ、顔を近づけて言われたもんだから

ビビったのもあるけど

ものすごく顔がひきつった。

そんな私を零夜さんから引き離してくれたのが龍之介さん。

「お前、こいつに喧嘩売るとどうなるか、理解してるだろ?」


そう、意味のわからない発言をして私を胸元へ引き付けて零夜さんを軽く蹴飛ばす。

零夜さんは頭をボリボリとかいて

「…悪い。」

と、いかにも納得してなさそうな顔で

拗ねながら言った。

顔では素直に

僕は悪くないもん。

的な感じのことを表してる。

…ガキですか、ちょっと。

なんて思うけど、それは言わない方がいいから言わない。

そんなことを考えていると

美幸が

「ったく。零夜のこと嫌いなんて一言もいってないんだからね。」

…え、

ちょ、なにこの子。

ツンデレ?

え、可愛い。最高。

なんて萌えきゅんしてると

パァッッと顔が明るくなった零夜さん。

そして、私に勝ち誇った顔をされた。

ピキっと来たけど

ここはね、大人な私がね

一歩引いてあげることにした。

大人な私がね!!!

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