ヤクザの家族になっちゃった!?


本を読み終えても教室に来ない龍之介さん。

本を読むのが早かったのかもしれないけど、

読みはじめて一時間はたってる。

もう、帰っちゃおうかな、

と思う自分と、

今、帰ったらきっとほんとに話せなくなる

と思う自分がいる。

もちろん、話せなくなるなんて絶対に嫌だから

待つことにしてしまった。

はぁ、健気よねぇなんて考えながら本の上にメモを残して机の中に入れた。


コツコツコツ

誰かが歩く音が鳴り響く。


龍之介さんかな、と思い覗いてみると、

柳っちが歩いてきた。

私は柳っちに声をかけて

龍之介さんはどこにいるか聞く。

「え、まだ来てないのかよ。
あのヘタレ。」


はぁ。とため息をついた柳っち。

え、ここまで来るのが怖いのかな、

お化け信じるタイプの人?

ってゆうか、柳っちは不思議な思わないのかな、

龍之介さんが私を呼びつけたこと。

…あ。あれがあるわ。

補習。

まぁ、受ける必要があるような点数なんてとってないんだけどね


「あー、草薙先生はもう帰ったぞ」

そう、少し視線をずらしながら言った柳っち。

…え。

帰った?

三時間ほど待ったのに?

帰った?

ありえないっすよ。

待ってろって言ったよね?

まさか、幻覚?

今でも見てる幻覚ですか。

はぁ。
なんて、そんな文句いくら言っても仕方ない。

待ってる必要もないんだ。帰ろう。

なんて、落ち込みつつも考えてると

柳っちは下校時間でーす

とだけ言って行ってしまった。

わかってるよ、この傷ついた心を抱えながら帰りますよーだ!

なんて完全に拗ねながら外を見ると、真っ暗

前の私なら当たり前だったけど、

最近は誰かしら一緒にいたからな…


…でも、ここにいても仕方ないしね。

さっさと帰ろ。


私は急いで学校を出た。


< 183 / 257 >

この作品をシェア

pagetop