ヤクザの家族になっちゃった!?

そしてついに、放課後。


私は今、教室で待ってる。

大人しくね。

これ以上避けるわけにもいかないって言うか、

もうそろそろ根性決めなきゃいけないって言うか、

いや、むしろ大河たちが私を精一杯引き留めてるって感じだけどね。

そんな彼らもこれからデートのご様子。

せっかく二人っきりなんだもん。

楽しんできなよ。

なんて声をかけると

「どうせ逃げるでしょ」

と一言。

ぐさりと刺さりましたよ、図星ですから。

まぁ、もうそんなこんなで二時間近く一緒に待っていてくれた二人。

そろそろ本気で申し訳なくなってきた。


「ほんと、せっかくのデート、楽しんできな!

逃げないよ!二人に誓う!」


そう言うとるりは

「だってさ、なんかこの機会逃したらずっとあのロリコン教師に和泉とられちゃう気がするんだもん。」

なんて、かわいいこと言われちゃったもんだから、もうほんと、


「るり、すきだーー!!!!」


「私も大好きだぁぁぁぁぁぁ!!!」


なんて言いながらぎゅうっと抱きつく。

「結果はちゃんと報告するからね、
いっておいで」

そう言うと、るりは、んー。と考える。


「え、俺もるりが好きだよ」

なんていきなり言ってきた大河に

「知ってる」

と一言浴びせ

「じゃあ、一分おきに連絡するからね!」

と、言って大河の手を取り教室を出ていった。


い、一分おきに…?

いや、無理でしょ、

なんて考えてたけどるりを甘く見てた。


まさか、

一分おきに一言ずつ送ってくるなんてね。

新手過ぎて笑ったよ。

そんな合間合間で竜からも連絡が来る。

竜は今日はバイトだって。

カラオケでバイトしてるから、

今度こいって言われた。


ってゆうか、暇なの?

こんな頻繁に…。

って送ると、だって心配だから。と。

優しい兄貴だなぁ、竜はほんとに。

なんてちょっと思ったりもした。

口が割けてもいってあげないけどね。

暇をもて余した私はさっき竜に借りた本を読み始めた


本の内容は、

好きな人に好きな人が出来た

というもの。

竜がこんな恋愛もの見るなんて珍しいなぁって思ったけど、

なんとなく、想像だけど


竜、好きな人いるっていってたよね。

もしかして、その人に好きな人が出来たのかな?

今までの私なら苦しいねぇ

で終わってたけど、

恋をしてる私にとって

それは共感してしまうこと。

胸が苦しくて苦しくて…、

二人が一緒にいるところなんか見たら、

心臓がつぶれてしまうんじゃないかってくらい苦しいこと。


こんなこと、願っちゃダメなのかもしれないけど、

竜の好きな人が、竜を好きになればいいのにって、


そう思ってしまった。

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