ヤクザの家族になっちゃった!?


「龍之介さん、なにしてるんですか?」

わたしが声をかけると

静かにこちらを振り向いた。

その時偶然、

月が彼の後ろにあったため、

輝いて見えた。

「…月見」

龍之介さんはそういって

私の手を取り、

自分の足の間に座らせた。

う…///

これは恥ずかしい…

「りゅ、龍之介さん、どうしたんです?」


「なんでもない。」



龍之介さんは甘い声でそういって少し強めにわたしを抱き締めた。



ドキドキする

ずっと、こうしてたい。

けど、それはできないんだ。

私は意を決して口を開いた



「龍之介さん、今、平気ですか?」

「あぁ…。」

わたしが真剣な声を出したからか、

さっきまでの甘い声ではなく

いつもの声に戻って返してきた。


「あのですね。私…



特別クラスに転入することにしました」



私がそう言うと


少しだけど、

私をつかんでる腕に力がなくなった。

「…それは親父からの提案か?」


少し不機嫌そうな声でそう言った。

「いや、

自分で選択したんです。」

「そうか。
何でそう考えたんだ、」


「…私ね、勉強したいんです。

龍之介さんの隣に合う人間になるために。

だからね…」



だから、少し待っててくれないか

そう言おうと思ったのに…


「そんな必要ない」

と、ずばっと言われた。

「必要性なんて求めてない。

ただ、私のわがままなんです。

だからね、お願いします、

協力してください…、」


私はそういって龍之介さんから離れて


頭をさげた。


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