ヤクザの家族になっちゃった!?

「「「おかえりなさい…」」」

そう言いながらコウは半分寝てる。

私はおっちゃんに一言いって、

部屋へ向かった。

お風呂は…って思ったけど、零夜さんがいれてくれたみたい。

二日連続入らないのはきついからね…。

三人を布団に寝かせると、

ぐずらず寝てしまったので、

私はすぐに食事場へ行けた。

「えっと、改めて、ただいまです。」

おっちゃんにそう声をかけると、

「忙しそうだねぇ、バイトはやめられそうかい?」

そう言われた。

「バイトは来週にはやめられるみたい。
あ、幸子達の服もろもろありがとう!」

「なにいってんだい。自分の子供の服を買うのは当たり前だろう?」

「あ、そっか…」

なんか、さっきから思ってたけど、

ここの家、暖かいね。

ただいまって言えば

お帰りってかえってくるし。

なんか、不思議な感じ…


「いずちゃぁぁぁん!」

後ろから抱きついてきた奈美恵さん、

「うわぁ!ど、どうしました!?」

「敬語なんてやめてよー!それより!はい、これ。」

渡してきたのはメイクポーチ。

「宗也さんと買ってきたのよー♪」

宗也さん…あ、おっちゃんか。

「あ、中もいっぱい入ってる…」

「もちろん!」

「わ、わぁ!嬉しい!ありがとう!」

私がそう言って二人に抱きつくと、

二人は照れたように

「実はねぇ…これだけじゃないのよー!」

ババンッ

と効果音がなりそうな勢いで出してきたのは…

「ケータイ?」

「んもっ!違うわよ!iPhone!しかも5!しかもしかも!私と一緒!」

そう言って私の前に押し出してきたキラキラゴテゴテのiPhone。

…携帯電話ね。

なんか、横文字…いや。

かっこいいけど!いや!

ケータイの方が言いやすい!

なんて、自分のなかで文句を言いつつも、

奈美恵さんとお揃いで嬉しいのと

人生はじめてのケータイで興奮したのとで、

テンションMaxになった私。

部屋にいた全員に番号を聞き、

片っ端から登録していった。

みんなの名前を覚えてないのもあって、

知らない名前がずらり。

けど、そんなこと知らない!

嬉しい!


スキップしながらメイクポーチを持って部屋へ向かった

メイクポーチをおいてきたあと、

みんながいるなかでご飯を食べ始めた。

「あ、いずちゃん!蓮司さん達倒したって本当!?」

若手の…えっとー

あ、太郎さんが声をかけてきた。

「あ、あはははは…」

私がなにも言えずに言葉を濁してると、

「お前らも油断するなよ?」

少しおちゃらけた感じで蓮司さんが太郎さんに忠告した。

後々聞いたけど、

蓮司さん、3班の班長だったみたい。

んで、零夜さんが、5班の班長。

なんか私、結構面子潰した感じだよね。

うわぁ、ごめんなさいー…。


なんて自分の中で謝ってたら、

誰もいなかった隣に人影が。

フットみると

そこには龍之介さんがいた。

「あ、ただいまです」

「おう。」

それだけ。

うん、それだけ。

私がご飯を食べ終わり片付けてたら、

龍之介さんが隣に来て

「明日は、10時に俺の部屋へ来い」

そう言って、無言で片付けを手伝ってくれた。

意外。

お坊っちゃんだからなにもできないと思ってたけど、

食器洗ってる…!


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