可愛いあの人は高校生
離れていく心
次の日、あたしは重い足取りで学校へ向かった。


保健室の荷物の片付けをしていると、数人の女子生徒がやってきた。
「奈々先生っ！」
「どうしたの？怪我？」

あたしがそう言うと生徒達は泣き出した。
「先生本当に辞めちゃうのっ！？」
「嫌だよおー・・・。」

そんな姿を見ているとあたしまで涙が出てきていた。


「ありがとう・・・でももう決めたことだから。」
「やっぱり・・・加藤くんと付き合ってることが原因・・・？」


「・・・うん。」

あたしは少しためらいながらうなずいた。
「でもみんなで話し合ったの。最初はみんな先生と生徒なんかダメだって言ってたけど・・・加藤くんと奈々先生ならいいってみんな思ってるの！だから・・・辞めないでっ！！！」


生徒の言葉はすごく嬉しくて・・・でももうその言葉はあたしのものではないことに気付いた。
だって・・・加藤くんがそばにいない。


昨日の「ごめん」って何・・・？



悲しくなってあたしは生徒達より泣きじゃくっていた。






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表紙・目次

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