可愛いあの人は高校生
「加藤くんが悲しむわよ・・・。」

その言葉を聞いた途端、心臓がズキンと痛んだ。
急に頭がドクンドクンと疼きだした。

まるで何かを思い出そうとしているように。


「か・・・とうく・・・ん・・・?」

あの人の名前・・・・。



あたしは自分の頭を抱えてしゃがみこんだ。


苦しい・・・苦しい・・・・思い出したくない・・・・!!



そんなあたしの様子を見て驚いて母さんはあたしに近寄ってきた。
「どうしたの!?奈々!!大丈夫?」

もう母さんの言葉も耳に入らない。



かとう・・・ゆうし・・・。
何度も呼んだあの名前。
どうしてこんなにもあたしを締め付けるの?



足がガクガク震えて、怖くて・・・・。
でもあたしは無理やり力を振り絞り、外に飛び出した。



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