続編 Heat haze〜陽炎〜
都内のミュージックスタジオでバンドのメンバーと曲を合わせる


いつもと変わらない



なのに
ドラムの啓介が曲を止めた


「モト…いい加減にしろよ?」


「は?なにが?」


ギターの晃も
ベースの拓海も

楽器をおろして俺を見つめる


「モトくん、最近どうしちゃったの?」

拓海が聞く


「どうもしてないけど?」


「隠すんだったらうまく隠せよ。中途半端に隠すんだったら、全部話せ。」

晃がアンプを蹴った
鈍い音がスタジオに響く


「なに…言ってるかわかんねーだけど?」


不思議がる俺を見て
啓介が俺に歩み寄った


「お前、全然声が出てない。なんの感情もない、情熱もない。そんなヤツのバックで俺たちは演奏する気になんねーよ!」



そう言って
啓介がスタジオを出ていく

後に続いて晃が出ていった


拓海がすれ違い様に俺に言う


「モトくん、みんな心配してるんだよ。
全部片付けて戻ってきてね。」



バタンッ!


防音の重い扉が閉まった


呆然と立ち尽くす俺


くそっ!



りょうが頭に浮かぶ


ダメだ


こんな気持ちしまっておけない


何処かで幸せなら…


なんて
カッコつけていられねぇ


この気持ち
吐き出さねぇと俺はどうにも動けない



バンッ!
扉を開けて拓海の携帯をかっさらった


「モトくん!?」


「わりぃ、携帯借りる!」


俺はそのままスタジオを出た
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