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「うん。今夜の相談してただけだし」

「ほんと?」

正輝がなぜか、上目づかいで子供のように聞いてきた。

「うん。ほんとだよ。この学校での友達は正輝だけだからさ」

そう言い終わるのと同時に、
「桜」
正輝の声。

ふわっとした風が起きたような気がしたけど、それは正輝が私を抱きしめたからだった。


・・・え?


耳元で正輝の息遣いが聞こえる。

「うれしい」
そう言うと、正輝はさらにギュッと抱きしめる。

「ま、正輝?」

どぎまぎして声を出すと、正輝は体を離して私の両手を握った。

私の心臓はきっと今までで一番早く動いている。


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