444
「僕は・・・」
守が健治の耳元に顔を寄せた。

「悪魔に命をささげたんだ。君もそうしたら?そしたら僕を止められるよ」

健治はそれには答えずに空に浮かぶ月を見た。


・・・あんなにきれいだったかな。


ズズッ

後ろから音がして健冶は頭だけ動かしてそちらを見た。

「おねがい・・・。やめて・・・」

桜が、こちらに這いずってきていた。

「ふん」
守が一瞥をくれる。

「桜、来るな!」
健治の叫びにも、桜はその進みをやめない。
< 235 / 265 >

この作品をシェア

pagetop